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| クロ釣りの技 【 仕掛けで差をつけよう - 食わせ技編
1 】 |
| 030. |
保険のマキエを打ちなさい。ただし、必ず答えは出す。 【
松田稔 】 |
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マキエはできるだけ少ない量でピタリと合わせ、それで食わせるというのが理想である。 しかし、なにしろ水中のことであり、見えないから予測できない要素が数限りなくある。特に、グレのタナが深ければ深いほど、不測の事態が発生する可能性は高くなり、誤差も大きくなる。
潮の流れにしても、表層から下層まで同じ流れ方をしているかどうか分からない。表層だけが速く流れているかもしれないし、グレのタナまで同じ流れ方をしているかもしれない。 そのような条件下で完璧に予測することは、まず不可能といっていいだろう。 そこで、マキエの保険が必要になる。
図@のように潮が速い場合は、どの位置にマキエすれば、ヒットポイントでツケエと合わせることができるかを計算しなければならない。 そのためには、A・B・Cの三カ所にマキエを入れてみる。完璧に計算できて、Aにマキエしたらいいことが分かっていれば、B・Cは必要ない。が、前述したように不確定要素が多くて、計算に自信が持てないから、B・Cという保険が必要なのである。 A・B・Cの三カ所にマキエしても釣れなければ、D、E、さらにはFにマキエしなければいけないかもしれない。 A・B・Cの三カ所でグレが釣れれば、そのどれかが合ったと判断する。そして、どのマキエが合ったかを確定するため、いずれかを省いて二カ所にマキエしてみる。 A・Bだけにマキエして、それで釣れれば、今度はAだけにしてみる。 このように少しずつ絞っていって、最終的には一カ所だけのマキエで合わせてゆく。これが、答えを出すということである。
続いて、風が邪魔をして、仕掛けが潮に乗らない場合のマキエを想定したのが図A。
潮は左から右へ流れている。しかし、強い風が沖へ向かって吹いており、ウキを少々沈めても道糸が抵抗になって、仕掛けはどうして右沖へ出てゆくとしよう。 この状態でGにマキエしても、ツケエとは合わない。マキエはそのまま潮に乗って右方向へ流れるからで、こんなときH・Iにマキエする。これが保険になる。 Jがヒットポイントなら、Hのマキエだけでいい。しかし、この時点では判断がつかない。だからIにもマキエを入れる。Kがヒットポイントかもしれないからである。 当然、JとKではマキエが沈んでいる水深が違う(Kのほうが深い確率が高い)から、ウキ下も計算する必要がある。
| * 保険のマキエと無駄なマキエとは明らかに違う。 慣れないうちは迷いがあるから保険に頼りがちで、どうしても多量にマキエを入れてしまう。しかし、それをやるとグレが散る恐れがある。いくら迷いがあるとはいえ、三カ所程度にとどめたほうが無難である。 ここにマキエを入れたら魚はどう動くかという計算ができて初めて、何カ所にもマキエしてもいいことになる。 つまり、上手になれば保険をたくさんかけてもいいのである。 |
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